ストーニーブルックインはBed & Breakfastなので朝食を毎朝いただきました。
いつも出かけるとおいしいものを食べて シェフとして何か参考になるものを吸収しなければとあせっています。しかし ここシャスタ山には3星どころか1星レストランはありません。
最初の朝にここの朝食の細く刻んだズッキーニー、たまご、サワークリーム、パルメジャンが入ったキャッセロールがおいしくて衝撃を受けてしまいました。よくある材料でどうやってこんなにおいしくつくるんだろうと すぐにレシピを聞きました。いつも泊まっているFour Seasons やリッツカールトンの朝食は豪華でキレイですが 見ためほどおいしくないというのが正直なところ。
”おいしい、”を連発する私にかなり引いていたお料理担当のアメリカ人の女性は レシピを教えてくれ そのレシピを見て普通すぎて正直驚きました。うっ、普通のレシピでこんなにおいしくつくれるなんて。。ロスのレストランではたとえ有名でも?マークになる料理を出すところが結構多い。水がいいのも料理がおいしくなるコツかもしれないが この時期のズッキーニーはシャスタの水で栽培されたものではないはず。 自問自答を繰り返しながら毎朝朝食をいただいていました。
料理はレシピでもなく技術でもなく 食べる人を思う気持ちなのかもしれない、という結果になりました。
そんなことは昔から知っているつもりだったのですが つい忘れてしまいます。
アメリカの母の味を引きつく友人のターキー、韓国レストランよりおいしい韓国料理をつくる友人の手料理、このストーニーの朝食には共通点があると感じました。
忙しいレストランの厨房は戦場状態で 食べる人の気持ちを考えるのは無理なので 技術でカバーしなければいけない。しかしそこまでの技術を持つシェフは少ない。
これからは心と五感と手をしっかり使って料理することにしよう。
それがわかったことはこれからの私の指針にとっては大きな収穫でした。
でも しばらくするとまた忘れてしまうので シャスタ山に戻らないとね。今度はいつに行こうかな。